2023.11.20

札幌開成中等教育学校でアウトリーチ活動を行いました

 令和5(2023)年11月17日16時より、札幌開成中等教育学校においてアウトリーチ活動を行いました。
 この活動は、当教室の新宮康栄講師主導で進められている、心筋保護・冬眠心筋に関する研究が、公益財団法人 秋山記念生命科学振興財団の研究助成を受けたことにより企画・実施されました。


 「北大から心臓移植のエキスパートが来ます!」と称された、この出張授業形式の活動は、中高生約80名と同校教職員数名の参加を得ました。
道内唯一の心臓移植実施施設である当教室から、心臓移植と補助人工心臓治療の臨床経験豊富な大岡診療講師と基礎研究部門のリーダーである新宮講師、補助として中国からの留学生で博士課程在籍のコウ・セイブンの3名が参加しました。
 大岡診療講師からは、日本および北海道内の心臓移植および補助人工心臓治療の実際や現状について、新宮講師からは臓器移植の臨床的観点を絡めた、心筋保護・冬眠心筋に関する基礎的研究、脳死下臓器移植の現状についてのプレゼンテーションが行われました。
 持参した模擬回路を用いた補助人工心臓(HeartMate II®およびHeartmate3®)の実機が駆動する様子を実際に観察していただきました。

質疑応答時間は30分を超え、多岐にわたる白熱したものとなり、予定実施時間を大きく上回った約2時間の講演となりました。
通常授業が終了した時間にもかかわらず、多くの中高生にご参加頂き誠に有り難うございました。質疑応答の内容には、思わずうなってしまうような鋭い内容もあり、我々医療者への刺激ともなりました。

大岡診療講師による心臓移植および補助人工心臓治療に関する説明
新宮講師による心臓保存研究による説明
模擬回路を用いた補助人工心臓の実際の駆動状況を観察